
[su_box title=”簡単なキャラクター紹介” box_color=”#2fa39f”]

乙女ちゃん。走ることが大好きな陸上長距離専攻の高校1年生ランナー。
陸上競技場で走ったことは何度かあるけど、トラックレースはまだまだ慣れていない模様。

美幸ちゃん。乙女ちゃんと同級生の長距離初心者。
トラックの上に立つと、「土足NGの場所に土足で上がっている」みたいな妙な感覚がするらしい…

乙女ちゃんと美幸ちゃんを指導するコーチ(大学4年生)。
最近トラックの上にあるブツブツを見ると、チョコチップクッキーを思い出して仕方がないらしい…
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あらすじ
大会に向けてモチベーションを高めるべく、京都の桂川近くにある西京極の陸上競技場で練習をすることになった乙女と美幸。
普段の大会で西京極には何度か来てているのだが、大会の日でも無いのに改めて下見に来るのは今回が初めて。
なぜ大会の日でも無いのに陸上競技場に来たのか…乙女ちゃんはその事を疑問に感じていた。

大会の日でもないのに陸上競技場に来るのってなんだか不思議な気分になるねぇ…

確かになんか変な感じがするよね。
未だにこのトラックの光景には慣れへんなぁ…。

でも、わざわざ大会でも無いのにわざわざコーチが陸上競技場に連れてってくれるなんて何か裏があると思わへん?
しかも私たちの使用料まで自腹切ってくれとるんやで!絶対に裏があるはず!

(…そこまで怪しまれるのは癪やけど、自分から疑問を持つのは…まぁ、ええことやね)

裏があるからあんたらに私なりの「おもてなし」しとるんやで!
あ・え・て・ね

………………

………ゲフン!
なんで今日の練習はわざわざ陸上競技場に来たかというと
大会前の下見とメンタル作りに来たのが目的や!

でも、西京極って別に初めて来る場所ちゃいますよね?

何度も来とるからといって絶対安心というわけではあらへん。
ある程度走っているからとはいえ、緊張感を感じにくくなるのには個人差があるんは自然なこと。

何度も来とるのに緊張感を感じるのは変な事ではないんですか?

もちろん、一度来ただけでバッチリな人もいれば
なかなか緊張感が抜けない人も当然いるから落ち込む事はあらへんで。

でも、緊張しすぎを直したいんやったら
まずは自分の出来る範囲から対策をしていくのは大事やね。

その一つが、今回の「下見」というわけですか。

その通り!
「今回は」「私が」「特別に」自腹を切ったんやから
そこんとこしっかり学んでいってや!

…コーチ、そんな言い方でプレッシャーかけたら
逆に乙女緊張させるんちゃいますか?

ハッ!すまんかった!
つい言いすぎてしもたわ!

私は別に大丈夫ですよ。
なんだかいつものコーチらしくて、結構リラックスできています!

くぅ~…あんた、ええこという娘やねぇ…
あかん、目から塩水が…この年になると涙腺弱なってあかんなぁ…。

(…シリアスな話し方するコーチは、それはそれで緊迫感あって緊張するもんね。
こんぐらいがちょうどええのかも。)

(そしてスルーするところはスルーする!これが私なりのメンタル調整法!)
…ということで、今回は大会・試合前に向けての過ごし方についてまとめていきます。
なお、このページでは陸上競技(主に長距離走)やマラソンをメインにした過ごし方を紹介していますが、短距離や投擲、跳躍などの陸上競技の他の種目、野球やサッカーなどの他のスポーツの試合前の過ごし方としても参考になるようにまとめています。
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大会前の過ごし方について
大会前の一週間は前回のピーキングに関する話で書いたように、練習量を調整して疲労を抜いていくのと同時に、メンタル面も整えていく事がいい結果を出すためには必要です。
メンタル面といえば、気持ちを落ち着けたり、緊張しすぎないようにするという事を思い浮かべるとは思いますが、そのような不安や焦りが起きないための準備が必要です。
大会前だというのに何の準備もせずぶっつけ本番で挑むので、不安になるのも仕方のないこと。その不安少しでも和らげるには、何かしらの行動をするのが地道な方法ではありますが有効と言えます
以下に大会前に自分で出来ることについてまとめていきます。
大会要項はしっかり目を通しておく
至極基本的なことですが、陸上競技や市民マラソンに参加する事前に大会要項をしっかり確認しておくことは、自分が気づかないうちに失格になっている、という事態を防ぐ事につながります。
陸上競技の場合m大会ごとにスパイクのピンの長さの決まりが異なる、市民マラソンの場合、大会によっては仮装や被り物などが禁止、スペシャルドリンクなどの持ち込みに決まりがある大会もあり、それに気づかないまま出場すればトラブルの原因になります。
初心者に限らず、ある程度経験を積んで慣れてきたランナーだからこそ、自分が出場する大会の要項やホームページは事前にチェックしておく事は大切なことですね。

すんごい基本的なことやけど、基本を疎かにすると痛い目を見るのは自分自身やね。
スマホやPCで「自分が出場する大会名 要項」で検索するようにするんやで。
荷物の準備は早めにする
大会の当日になってユニフォームやスパイクやらを準備してパニックになってしまっては、大会に影響が出てしまうのは無理もありません。
一般的に週末に大会ある場合は、少なくとも平日のうちに荷物の準備はしておく。早めにしておくことで、もしも足りない物があった場合は買いに行くこともできて当日になって焦らなくても済みます。
また、持っていく物のチェックリストを作成しておき、大会前に要るものがどれだけあるのかを可視化しておくのも効果的です。

陸上競技の場合、着替え、ゼッケン、スパイク(ピン含む)、タオル、テーピング、エアーサロンパス…などの必要なものまとめてリストにしておくと、忘れ物が無いかを確認しやすいから便利やね。
また、一つリストを作っておけば他の部員や初心者の人にも役立てるというメリットもある。

持ち物リスト作って準備するって
なんか遠足とか修学旅行みたいっすね。

修学旅行も当日に準備してたら、遅刻や忘れ物をする原因になるやろ?
陸上競技やマラソン大会でもそれは同じやね。
当日に焦ってパニックにならない、準備してない事で漠然とした不安に駆られないためには、早め早めに準備しておくこと。
早めに準備をしておくことで、気持ちの面でも大会モードに切り替えられるっちゅうわけや。

いわゆる「形から入って気持ちを大会モードに切り替えていく!」みたいな感じですね!
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大会開催場所の下見をしておく
大会によっては自分の地元ではなく県外へ遠征したり、前日から宿泊込みで移動する、今まで行ったことが無い場所の大会に参加するという事もあろうと思います。
慣れない土地や初めての場所での大会と言っても、ただ走って帰る…というだけはなく、例えばトイレに行ったり、ウォーミングアップをしたり、スタート前の招集があったりと、実際のレース以外にやることはたくさんあります。
自分が初めての行く場所での大会の場合、レース以外にやるべき事で頭がいっぱいになってレースに影響が出ないためには、事前に会場の下見をして、大会当日にどこで何をするかを自分の目で確認するのいいでしょう。
もちろん、仕事や学校で事前に下見ができない場合は、大会当日に数時間ほど早く到着し、その時間で確認するのでもOKです。

すんごい基本的なことやけど道に迷いやすい人は、事前に下見や試走をして大会まで会場までの道を覚えるようにするのは大事やね。
迷子とはいかなくとも、道を知らんことで余計な時間を食って遅刻するのを防ぐためにも下見をするのはとても大切なことなんやで。

…コーチの歳(大学4年生)で迷子になったら、一生モノのトラウマになりそうですよね…

………せやからこそ下見は大事やね、マジで。
今やったらグーグルストリートビューで確認するのも出来るさかい、便利な世の中になったもんやと思うわ。
大会の時間に合わせて起床時間を調整していく
普段の練習は放課後なので午後からというのはよくありますが、自分が出るレースも常に午後から開始というわけではありません。もちろん、招集やウォーミングアップの時間も含めると、ある程度余裕のあるスケジュールで大会を迎えるのは必須ですね。
午前中に競技が開始するのに、夜型生活を続けたりや午後から体の調子が上がってくるような生活では、いくら練習を積んでも大会で実力を発揮しにくくなります。
そうならないためにも自分が出場する種目の開始時間を確認し、午前中に開始されるのであれば事前に朝方生活に戻し、午前中に体をしっかり動かせるように体内時計を整えていきましょう。

市民マラソンやとスタート時間はだいたい朝の8時~10時ぐらいが一般的。
もちろん、ウォーミングアップや靴の準備、トイレや招集などの時間も含めれば、少なくともレース開2時間前には体を動かすようにしておくのは基本やね。

とは言え、学生や社会人やと午前中に練習をするってのは、ちょっと現実的には難しいはず。
その場合は「朝から思いっきり走る!」んやなくて、ちょっと早く起きて散歩をして朝に体を動かす習慣をつけるというやり方でもええね。
体内時計の調整だけでなく、朝の空気を吸ってリラックスする効果も期待できる。
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大会前のメンタル面の整え方
大会前の調整練習で一喜一憂しない
大会前の練習で「いいタイムが出なかった…」「思ったよりもいいタイムが出た!」と一喜一憂するのは良くありません。
もちろん、いい調子で大会を迎えられるのに越した事はありませんが、体調には良いともあれば悪い時もある、つまり波があるのを忘れてはいけません。
調子がよかったからといって慢心してはいけませんし、調子が悪かったからと言ってひどく落ち込む必要もありません。
大事なのは練習で言いパフォーマンスをするを出すのではなく、大会でいいパフォーマンスをするこであり、練習で気持ちを乱さないようにしましょう。

大会前はどうしても不安になるから、ちょっとタイムが下がっただけで「もうあかん…」「絶対自己ベストなんて無理!」ってネガティブになってしまいやすい。
けど、大事なのは練習でベストを尽くすんやなくて大会でベストを尽くすことなんは、冷静に考えれば理解できるはずやね。
慣れない練習やルーティンは避ける
大会が近づいて不安を打ち消すために、今までやったことのない練習をしたり、食生活をガラリと変えたり、新たなルーティンを行ってしまう事はあります。
しかし、普段やっていないことをすることで、逆に緊張感が増してしまい返ってメンタルを乱す原因になってしまいます。
大事な事は例え大会前だからといって、特別なことはせずに普段通りのことをすること。平常心を失うような習慣をしないように心がけましょう。

「藁にもすがる」ということわざにあるように、人間不安な時は目の前にある事にとにかく手を出してしまうけど、それが逆効果になって不安が増長することも多い。
当然、今までやったことがない練習が急にできるなんて事はあんまりないから、「練習がうまくいかへん→マイナス思考にハマる…」なんて事が起きないようために、特別な事をしないのは効果的やね。
いいパフォーマンスにはある程度の緊張感が必要
緊張しすぎて不安になるからとって緊張をゼロにすればうまくいくとは限りません。
緊張感は弱すぎず、強なすぎずの状態であると、スポーツでいいパフォーマンスをしやすくなります。
- 緊張が強すぎると…アガってしまう、多汗、焦り、自分を抑制できない。
- 緊張が弱すぎると…集中力が足りない、気分がのらない、諦め、怠慢プレー。
緊張感をゼロにするのではなく、自分によってちょうどいい緊張感がどの程度なのかを把握して、その状態に近づけるようにしましょう。

スポーツでよく聞く、いわゆる「ゾーン」は緊張感が弱すぎず、強すぎずの状態で起きやすい。
ゾーンに入りたければ、自分にとって程よい緊張感を保つようにするのが理想やね。
大会に向けてのメンタルの記録をつけておく
自分のメンタルが大会が近づくにつれてどのように変化していくかを、練習日誌に記録をしていくことで気持ちの整理をすることができます。
また記録を残しておくことで、過去の大会前の自分のメンタルのクセや特徴を分析することも出来るので、自分のメンタルにあった自分だけのメンタルの整え方を考案する手がかりが見つかることもあります。

…高校生には関係の無い話やけど、自分のメンタルにいいからと言って大会前に大量にお酒を飲むのはオススメできひん…。
単純に二日酔いで大会に出ても結果は出にくいし、アルコールで不安を紛らわすのはあまり良い習慣ではないからねぇ…
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あとがき

色々対策はあるけれど、大事なんは自分にあった大会前の過ごし方を見つけて見ることやね。
よく有名なスポーツ選手の試合前の過ごし方を真似してみるやり方もあるけど、ただそっくり真似するだけやなくて自分なりのアレンジを加えて、自分にぴったりの過ごし方を見つけて行くようにしたいもんやね。

例えば音楽を聞いてリラックスするにしても
自分のメンタルや気分に合った音楽を選ぶようにするということですか。

せやね。
リラックスするのにクラシックやジャズがいいという人もいれば、JPOPやアイドルソング、アニソンやゲームのBGMというように、好みは人それぞれやからね。
趣味に合わへん曲を聴いたり、大会前やからと言って普段をはちがう特別な曲を無理して聴かなくともええわけや。

別に人に自慢したりアピールするために音楽聴いてるわけちゃいますもんね。
大会でいい結果が出せるんやったら、アニソンでもゲームBGMでも恥ずかしがる必要はないっちゅうわけですよね。

その通りやね。
ただ、音楽に没頭しすぎて招集の時間に遅れたらあかんで。

…ところで、その言い方やと
美幸はひょっとしてアニソンとか聴いてる方なん?

……まぁそうですけど…
絶対に笑わんといてくださいよ!恥ずかしいですから!

他人の趣味にケチ付けるような野暮な事はせえへん。
大事な教え子の趣味にあれこれ口出しするなんて
なんか空気の読めへんおばはんみたいで嫌やん?

…コーチでもおばはんらしいのは流石に嫌なんですか。

…失礼やなぁ。
まぁ、そう思われる行動しとる自覚はあるけど
あくまでも心も体もまだまだ若いほうやで!ホンマに!

う~ん、若くありたいって気持ちはわかりますけど
私的にはコーチはもうちょっと年相応になったほうがいいような気もします。

せやねぇ!
大人らしい品格というか、落ち着きってもんがあってもええと思います。

…あんたらって、結構容赦ないこと言うよねぇ…。
まぁでも、それだけ私の精神年齢が若くて話しやすい相手に見られている証拠かいな?

あ、でも、大人みたいなコーチってそれはそれでなんか違和感ある気も。

(要は、いつもどおりでOKってことなんかな…)
参考書籍
イラスト・ストーリー : シロカネ