
[su_box title=”簡単なキャラクター紹介” box_color=”#2fa39f”]

乙女ちゃん。走ることが大好きな陸上長距離専攻の高校1年生ランナー。
京都市内を流れる鴨川を走るのが日課。

美幸ちゃん。乙女ちゃんと同級生の初心者ランナー。
鴨川は走るよりも散歩したい派らしい。本人曰く「走るんやなくて歩いて風情を味わいたい」とか…

乙女ちゃんと美幸ちゃんを指導するコーチ(大学4年生)。
鴨川の風物詩「鴨川等間隔」がどうも苦手らしい。見てるとストレスが溜まってくるとか…
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あらすじ
10月も終わりだというのに季節はずれの超大型ノロノロ台風のせいで京都市内随一のランニングコース&観光名所として有名な鴨川河川敷が大増水してしまうというニュースが京都中を駆け巡っていた。
いつも朝練で鴨川を走っている乙女も、流石に台風一過で増水した鴨川河川敷を走るというわけには行かなかった模様…

走りやすい時期に一週間ほど雨が降ったり
大型の台風が来るのってなんか腹立ちますよね。

長雨で走れへん日が続くとストレス溜まるもんね。

…まぁ多少の雨でも私なら濡れるの覚悟で走るけど!

…まさかとは思うけど、流石に台風直撃の日に外を走ってたわけやなかろうな?

流石に台風の日は走りませんよ(呆れ)
そもそも台風の日に鴨川走ってたら、今ここでこんな話すらできないでしょうに…

ニュースでも鴨川が増水してて危ないて言うてはったし
水位が下がるまでは別の場所を走るようにせなあかんね。

別のランニングコースを今から見つけるんか…めんどくさいなぁ。

そうか?
新しいランニングコースを見つけるのって楽しいと思うけど?

私はタイムとか距離がわかってる場所を走りたいんや。
鴨川やったら信号待ちすることもないし近所やからええ場所やったのに…これと似たような場所ってそうそう無いと思うで。

なるほどねぇ。
乙女みたいなガチランナーやと、流石に公道とか車が多い場所を走るのは危ないもんねぇ。

ランニングコースを考えるときは、まず安全面を第一にするのは大切やね。
他にも途中でトイレに行きたくなったり、水分補給ができる場所があるとええ感じや。

走ってる最中に途中で腹痛になった時に、近くにトイレがなかったら色々とまずいですよね…
人間として、女子高生として…

ほんまにそのとおりや。
秋冬のランニングやといくら防寒対策しても、走っている最中にお腹が冷えてしまうのをゼロにするのは難しいから、念のためにトイレのある場所をコースに入れておくと安心やね。(生理現象に逆らうのは辛いからね)

市民マラソンでもコースの途中にいくつか仮設トイレがあるよね。
無理に我慢して走るよりは、トイレですっきりしてから走ったほうが
コンディションが良くなるのは想像しやすいしね。

ランニングコースとかマラソンコースってこうして見ると
ちゃんと安全面とか安心できるように作られてはるんですねぇ…。

気がつきにくいけど、マラソンのコースにはそういう配慮がちゃんとしてある大会も多いよね。
もちろん、こういう配慮は自分でランニングコースを作るときにも役立つ。

まぁコースだけに、大会側が「こうするとええんやで」って教えてくれとるようなもんや。

…コースだけに話が脇道にそれましたね。

……of course(意訳:もちろんorせやね)

まさか英語で意味の通じる答えが返すとは思わんかった…

(滑っとるのは無視して、コーチのこういうチャレンジ精神って
私たちが見習うべき姿勢のような気がする…。)
…はい、ということで、今回は安全で安心なランニングを楽しむために押さえておきたいポイントについてまとめます。
(なお、この物語はフィクションですが、実在の鴨川も台風のときに増水したり氾濫した事は過去に何度かあります。とくに京都市内の北で降った雨は高野川と賀茂川の2つに集まって、鴨川デルタで合流し、三条付近で水位が一気に増えてしまうってことも珍しくはありません…おおこわ)
ランニングコースに求める安全面
交通事故、接触事故に巻き込まれないようなコースにする
ランニングの際に歩道ばかりではなく、自動車も一緒に走っている公道を走るときは、当然ですが自動車との接触事故が起きてしまうこともあります。安全なランニングを楽しむためには、交通量の多い場所をランニングコースに入れるのはおすすめできません。
また、自動車が走っているところをどうしても走らなければならない場合は、なるべく周囲に自動車が来ていないかよく確認したり、曲がり角や駐車場のある場所では一旦スピードを落として急に飛び出さないように走るようにしましょう。
もちろん自動車に限らず、自転車との接触や歩行者との接触が起きそうな場所も、あまりランニングコースに入れないようにするのがオススメです。
トイレがある場所を通るようなコースにする
ランニング中の向かい風でお腹が冷やされ腹痛に…しかし周囲にトイレがない場所を走っていたために、漏れそうなのを我慢しながら走ったという経験はランナーあるあるのひとつです。(中の人そその一人)
トイレを我慢したまま走ると、フォームやタイムに悪影響が出てしまうので、公衆トイレやコンビニなどがある場所を通るコースを作るのがオススメです。
また、市民マラソンが多く開催される秋や冬は、寒さによる腹痛や頻尿・残尿感が発生しやすいコンディションでもあります。
ランニング中にトイレ休憩するを恥ずかしいことや情けない事と考えず、無理せず出せるときに出しておくことは、ランニングを楽しむための大事な要素であると考えるようにしましょう。
水分補給ができる場所を通るようにする
ランニングコースの途中にスポーツドリンクが売っている自動販売機や公園にある水道などの水分補給ができる場所を入れることで、熱中症や脱水症状を防ぐ事ができます。
ただし、水道で水分補給をする場合は同時に塩分を含むミネラル分が補給できず、飲んだ水分が体に吸収されず尿や汗で出されてしまう事になります。
その場合は、ポケットに塩飴を入れておいて、塩飴を舐めつつ水分補給をするようにしましょう。

ランニング中の熱中症は夏に限らず秋や冬でも起きてしまう。
「普段のランニング中は何も飲まない。家に帰ってから補給する」って練習方法でも、もしもの場合に備えて、適度な塩分と水分補給ができる場所を入れておくようにするのがええね。
もちろん、自販機で買うための小銭も携帯しとくんやで。
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水分損失率による脱水症状と覚えておきたい3つの体の兆候について
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夜ランの場合は明るく地面が見える場所を走るようにする
仕事などの都合で夜にしか走れない、早朝しか走れない場合は、街灯のある明るい道を走るようにしましょう。
また、夜ランをする場合は交通事故や他の人との接触事故を避けるためにも、LED付きのタスキや反射材入りのベルトや上着、ヘッドライトなどをつけて自衛するようにしましょう。

街灯がないど田舎の夜道を走る場合は、側溝や用水路に落ちひんように気をつけなあかんよね。
不審者に襲われへんためにも、夜ランの場合は明るい場所や人通りのある場所を選ぶようにするとええね。
台風や大雨の時は河川敷を走らないようにする
ランニングコースの定番である河川敷をランニングコースに入れる場合、大雨やゲリラ豪雨、台風の時は増水したり決壊する恐れがあります。
水難事故に巻き込まれないためにも、増水した時に河川敷を走るのは控えましょう。

水難事故といえば河川敷だけやなくて海辺や砂浜、海岸沿いを走る場合も気をつけなあかんよね。海辺を走るのは気持ちいいけど、水難事故だけは舐めたらアカンね。
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ランニングコースに加えるといいオプションについて
階段のある場所をコースに入れる
階段のある場所を走ることで、平坦な道を走るよりも大きな負荷をかけて心肺機能や足の筋肉を鍛える事ができます。
ただし、階段を走る場合は階段から落ちないように、平坦な道よりもスピードは抑える。上るときよりも下る時の方に気をつける。無理に1段飛ばししてつまずかないように、あくまでも自分のペースで走るように心がけましょう。

「雨でグラウンドが使えない日は学校の階段を使って練習」ってのは陸上部に限らず運動部あるあるやね。もちろん、雨の日に限らず普段のランニングコースに入れてみるのも効果的。
もしも興味があるんやったら階段を京都駅の大階段のように数百段ある階段を登りきる大会に出てみるのも面白い。(詳しくは「垂直マラソン」で検索!)
坂道をコースに入れて運動強度を上げる
階段同様に、坂道のあるコースも平坦なコースよりも負荷がかかるために心肺機能や足の筋肉を鍛えるのに効果的です。
また、自分がエントリーしている市民マラソンやロードレース、クロスカントリーなどの大会で難所と言われている坂道がある場合は、その坂道でリタイアやペースダウンを防ぐというイメージトレーニングも兼ねて、坂道を走ってみるのもいいでしょう。

山にこもってひたすら坂道のあるコースを走るっていう合宿をするのは、陸上長距離や駅伝をしとる人なら多いよね。
ちなみに夏に閑散期のスキー場を利用した「ゲレンデ逆走マラソン」という大会も行われてたりするで。
観光やリフレッシュも味わえる場所を走るようにする
ランニングはただ淡々と体を鍛えるためにするばかりではなく、ストレス解消やリフレッシュ目的でするという目的で行っているランナーもいます。
遠足のように自分の足で移動して、美味しい空気や美しい風景などが味わえるような楽しめるランニングコースを作ったり、考えたりするのもランニングの醍醐味と言えます。
ただ無機質で辛く苦しいだけのランニングにならないためには、旅行や観光気分が味わえるようなコースにしてみるのがオススメです。
…余談ですが、乙女ちゃん達の聖地こと京都では、鴨川に限らず
- 嵐山のある桂川
- 鴨川デルタより先の高野川、賀茂川
- 愛宕山(愛宕神社)
- 伏見稲荷大社
- 鞍馬寺~貴船(きぶね、川床・奥座敷で有名)
などのランニングがてらに観光が味わえる場所が多くあります。(もちろんハイキングやトレイルランニングのコースとして有名)
ただし、ここ最近は観光客が多い場所は本当に多くて人も車も大混雑。どこもかしこも00年代と比べて観光客が多すぎるので、鴨川のような基本的に道が広い場所を走るようにしないと事故の元ですね…。
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あとがき

でもさぁ…そんな色々考えとるんやったらずっとトラック走ってればええんちゃうの?

それは飽きるから嫌や!

長距離走るのは飽きひんのに、同じ場所走るのは飽きるんか…
ガチランナーの心理って複雑やね。

陸上長距離やとトラックレースにもロードレース(駅伝・マラソン)にも出れるから、一概にトラックばかり走ってりゃええってわけでもない。

ロードレースの場合、(当然といえば当然やけど)トラックに無い坂道や急カーブのあるコースを走ることもあるよね。
そういうコースを大会で走る場合は、普段の練習で坂道やカーブのあるコースを走っておくのが何よりの練習になる。

箱根駅伝の5、6区みたいになコースだと、坂道に特化した走りを普段から身につける必要がありますもんね。

それと、トラックで走るにしても近所に陸上競技場やトラックのある運動場がない場合もある。
もちろん、世の中のランナーがトラックのために、いつも時間や金をかけられるばかりというわけでもないんやで。

まぁいろいろい言うたけど、トラックばかりは流石に飽きるってのは私も同感やね。

やっぱり外を走るほうが開放的というか、気分転換になりますよね!

鴨川みたいな場所なら、景色も綺麗やし風情もあるから
ストレス解消目的に走る場所にはピッタリやね。

それに鴨川は観光名所やし、それに、下流の方に行くと…
ほら、等間隔で座っとるカップルもいはるから目の保養になりますよ!

あぁ、鴨川で等間隔に座ってるカップルのことやね。
せやけど、よそ見してコケるから、あんまカップルをジロジロ見んのはアカンで、ホンマに。

そりゃそうとあんたら2人は恋人とか、気になる人っておるんかいな?

いればこんな話しませんよ。

悲しいかな、おらへんのよ…それが。

仮にできたとしても、鴨川等間隔はやりませんよ!
人に見られるところでイチャつくのって、ちょっとはしたない気がします。

あのなぁ、昔から「恋は盲目」って言葉があってなぁ…
人間恋に落ちると周囲の目とか常識とかを忘れて、行動をしてしまうもんなんやで。

でも、恋に落ちてもしっかり等間隔になれるのって、
盲目のように見えて実はちゃんと周囲が見れるエリートカップルの証のような気もします。

…言われてみれば確かにその通りやね。これは、目からウロコもんや。

周囲と適度に距離感を保ちつつ、仲良くなりたい相手との距離を狭める…
そういうコミュニケーション能力って恋愛以外でも役立ちそうですね。

…ホンマやね、私は「恋人いない歴=年齢」やから、一言一句身に染みるわ…

(ここはツッコんだらアカンと思う…根拠は「勘」)

(そういうサラっと言っちゃう性格やから「恋人いない歴=年齢」になるんですよ…
もうちょっと奥ゆかしくなれば、少しはマシになると思うんですけど…)
イラスト・ストーリー:シロカネ