秋になっても要注意 熱中症が起こりやすい条件について


 

簡単なキャラクター紹介
"乙女ちゃん
乙女ちゃん

乙女ちゃん。走ることが大好きな陸上長距離ランナー。

以外にも走る以外のスポーツはあまり得意ではないらしい。

"美幸ちゃん
美幸ちゃん

美幸ちゃん。乙女ちゃんと同級生の初心者陸上長距離ランナー。

正直言って陸上以外のスポーツの方が楽しいと感じているが、そのスポーツが続くかどうかはまた別の話みたい。

"詩織コーチ
詩織コーチ

乙女と美幸を指導するコーチ(大学4年生)。

陸上以外のスポーツもそつなくこなせるが、最近は一緒にやってくれる人がいないのが悩みらしい。

 

 

あらすじ

最近秋らしく涼しい日が続い乙女と美幸はますます走り込めるだろう、と考えていたコーチだが、どうやら2人ともかなり疲れている模様。

詳しく聞くと部活の練習前にあった体育のバドミントンに原因があるみたい…

 

 

"詩織コーチ
詩織コーチ

どうしたんやあんたら。

これから放課後の本練習やってのに、随分暑苦しそうやなぁ…

"乙女ちゃん
乙女ちゃん

聞いてくださいよ、コーチ!。

5、6限目の体育の時間にバドミントンやったんですけど、ずっと締め切ってて蒸し風呂状態やったんです。

"美幸ちゃん
美幸ちゃん

いくら涼しいとは言え、密室の体育館で2時間バドミントンやったら

暑くてダウンしてしまいまっせ。

"乙女ちゃん
乙女ちゃん

おまけに夏休み明け一発目の体育で張り切りすぎたせいで

途中で休んでた人もいましたよ。

"美幸ちゃん
美幸ちゃん

京都みたいにアホほど湿度高い場所やったらそりゃ無理あらへんわ

"詩織コーチ
詩織コーチ

さよか…そりゃ大変やったなぁ…おつかれはん。

"乙女ちゃん
乙女ちゃん

私らは陸上部やから風のある外で練習しとるけど、バド部の人らはまだまだ暑そうやねぇ…。

"詩織コーチ
詩織コーチ

ほんまその通りやね。いくら涼しなったとは言え、熱中症になる可能性はあるね。

もちろん、陸上長距離にもこのことは言えるね。

涼しなったからって油断しとったら、熱中症や脱水症状になってしまったという事も起こりうる。

"詩織コーチ
詩織コーチ

とくに美幸はこの前の脱水症状で結構危ない経験したから、ちゃんと用心せなアカンな。

"美幸ちゃん
美幸ちゃん

そりゃもちろんわかってますよ、コーチ!

せやから今日のバドミントンはあえて体力をセーブしてやってましたよ!

私かてそんぐらい学習しますって!

"乙女ちゃん
乙女ちゃん

せやからか…

ダブルスで途中から明らかに美幸が動かんようになったんは…

"詩織コーチ
詩織コーチ

(…コーチとして美幸の学習成果を褒めてええんか悩むなぁ…)

 

 

…ということで、今回は熱中症が起こりやすい状況についてまとめます。

マラソンや陸上長距離のように風のある屋外で行うスポーツですと、秋らしく涼しい日はまさにランニング日和で走り込むにはぴったりです。

しかし、バドミントンのような締め切った屋内で行うスポーツでは、たとえ外が涼しくなったかろとは言え熱中症が発生しやすい条件が、まだ揃っている状態ともいえます。

熱中症は単純に夏だからとか、気温や湿度だけで起きるかどうかが決まるのではなく、スポーツをする環境や体調などの熱中症が起きやすい状況が揃うことで発生する確率が上がってしまうものなのです。

以外に思われるかもしれませんが、条件次第では冬でも熱中症が起きることも十分あります。

 

 

熱中症の4つの症状

暑さによる吐き気や疲労感、筋肉のけいれんなど、高温環境下で起きる全身の障害の総称を「熱中症」と言います。

熱中症が起きやすい状況を知る前に、まず熱中症の4つの症状について見ていきましょう。

 

 

軽症:熱けいれん・熱失神

大量に汗をかく事で体から水分だけでなく塩分などの微量ミネラル(電解質)も失われることで、筋肉がピクピクと痙攣する、体の一部にしびれを感じる症状を熱けいれんと言います。

痙攣する筋肉に決まりはなく、「意識していないのにまぶたがピクピク勝手に動く」「こむら返り(足がつった)」という症状が出ることがあります。

また、体から熱を逃がすために血管が拡張して一時的に脳への血流が減ってしまう事で起きる、立ちかくらみや失神などを熱失神を呼びます。

暑さで頭がぼーっとする、頭がクラクラするのは実は熱失神の症状だったということもあります

 

中等度:熱疲労

著しく脱水状態になることで、頭痛やたちくらみ、倦怠感、疲労感、虚脱感、血圧の低下などの症状に襲われること熱疲労と言います。

熱疲労の状態は意識障害こそ起きずまだなんとか運動出来る、かろうじて体が動かせる状態ですが、ここで無理をしてはいけません。我慢強い人だと、熱疲労でも頑張ってしまいさらに状態が悪化してしまうこともあります。

熱疲労になったらしっかり水分と塩分補給をする、涼しい所で休息を取る、必要であれば病院へ行くようにしましょう。

 

重症:熱射病

大量の発汗で昏睡状態、意識が朦朧とするなどの明らかな意識障害が出る、体温が40度以上になる、全身の筋肉がけいれんする、皮膚が乾燥するなどの重い症状が出ることを熱射病と言います。

体温上昇による循環器、呼吸中枢の失調が見られるので、熱射病では心肺停止になることもあります。また、適切な処置が行われない場合は多臓器不全により死亡してしまう事があります。

 

熱けいれん、熱失神が進行すると熱疲労に、熱疲労が進行すると熱射病になるので、少しでも具合が悪いと感じたら無理に運動を続けず、冷房の聞いた涼しい場所で休む、水分と塩分を補給するようにしましょう。

 

"美幸ちゃん
美幸ちゃん

ここで出とる熱中症の症状って、

この前の水分喪失率や脱水症状のところと結構似とるような気が。

"詩織コーチ
詩織コーチ

水分喪失率やなくて水分損失率やね。

この熱中症のところで登場している症状と共通点は多いから、一緒に覚えとくのがポイントやね。

 

 

 

熱中症が起こりやすい環境

スポーツの場面において熱中症が起きやすい条件には、気温や湿度などの外部環境によるものと、体調や運動歴などの内部環境によるものがあります。まずは外部環境について見ていきましょう。

 

気温が高い

熱中症が起きやすいのは大量に発汗する状態、つまり涼しい状態よりも暑い状態です。

 

湿度が高い

熱中症は気温だけではなく、湿度が高いと起こりやすくなります。

これは、湿度が高いことで汗が乾きにくくなる、つまり汗をかく事で体の熱を逃げにくくなるので、体温が下がらず熱中症がおきやすくなるというわけです。

お風呂場やスチームサウナ、雨上がりの後のように湿度の高い状況には注意しましょう。

 

風が弱い

風が強く吹くとそのぶん体感温度が下がって涼しく感じます。風には冷却効果があるので、適度に風のある環境は熱中症を防ぐ事につながります。

しかし、バドミントンのようにシャトルが風の影響を受けてしまうのを防ぐために、締め切った屋内で行うスポーツでは、風による冷却効果が得られなくなるので熱中症が起こりやすい状況になってしまいます。

 

"詩織コーチ
詩織コーチ

汗は蒸発することではじめて体から熱を逃がすことができる。いわゆる気化熱(きかねつ)やね。

汗は適度に風のある所やと蒸発しやすいので、体を冷やすために扇風機やうちわを使うのは理にかなっとるわけや。

しかし、ダラダラとしたたり落ちる汗には、熱を逃がす効果はほとんどないことがわかっている。汗をかくのではなく蒸発させることが、体を冷やすのには重要というわけや。

 

急に暑くなったとき

急に暑くなったときは、体が暑さに慣れていないために体温のコントロールができなくなって熱中症が発生しやすくなってしまいます。

梅雨明けのあとや、普段から冷房が効いた屋内で大半を過ごしている場合は、暑さに慣れていないので熱中症になりやすくなります

また、昼夜で寒暖差がある夏の終わり~秋の初めにかけても、同様に急激な気温の上昇に気をつけて、体温調整がしやすい服装にするのが効果的です。

 

"詩織コーチ
詩織コーチ

暑さになれることを暑熱順化(しょねつじゅんか)と言う。

暑熱順化はだいたい1週間あればできると言われてて、半身浴やサウナ、軽い運動(ウォーキング、サイクリング)などで、体から汗を出す練習を繰り返すことで暑さに順応できるんやで。

暑さのような刺激にだんだん慣れる、っていうのは筋肉の超回復でも似たような事が言えるね。超回復の場合、慣れるのはトレーニングの内容や負荷になる。

 

照り返しが強い

土よりもアスファルト、日陰よりも日なたの方が気温が高くなります。

また子供と大人の場合、子供の方が身長が低いので照り返しによる高温の影響を受けやすく、熱中症にかかりやすくなります。

最近は人間だけでなく、犬などのペットの熱中症も認知されるようになっています。地面に近い高さを散歩させる事で、犬が照り返しによる高温を強く受けてしまうという事ですね。

 

"詩織コーチ
詩織コーチ

ピンポイントで気温を調べるときに役立つ「アメダス」の気温は、実は直射日光に当たらないようにして、芝生の上1.5m地点で測定しとる。

アメダスの気温が快適やからといっても、直射日光が当たるアスファルトの上やと十分熱中症が起きやすい状況でした、ということもあるんやで。

 

 

 

熱中症が起こりやすい体調・体質

睡眠不足・寝不足

睡眠時間が不足することで、体の体温調節機能が上手く働かなくなることで、熱中症になりやすくなってしまいます。

これは、寝不足により自律神経が乱れてしまうことが原因と考えられています。

 

下痢を起こしてすでに脱水状態である

発汗の他にも、下痢によって体から水分とミネラルが失われた状態で運動をすると、ちょっとの発汗でも熱中症を引き起こしてしまう事があります。

熱中症の多い夏の場合、冷たいものばかりを食べたり夏風邪を引くことでお腹を壊す事が多くなります。

 

二日酔い

アルコールには利尿作用が含まれており、多く摂取すると脱水状態になります。

下痢同様に、既に脱水状態なのに汗をかく運動をすれば、汗が出にくくなり熱中症になってしまうことがあります。

"詩織コーチ
詩織コーチ

お酒以外にも、コーヒーや緑茶に含まれとるカフェインには利尿作用があることで有名やね。

当然やけど利尿作用のあるもので水分補給をすると、さらに脱水状態になってしまうから、カフェインの入ってない飲み物を選ぶようにするんやで。

 

 

肥満・太っている

体脂肪が多いと体の熱が分厚い脂肪により逃げにくくなり、汗をかいてもなかなか体温が逃げにくく熱中症になりやすくなってしまいます。

痩せるためにダイエットを始めようとする場合は、熱中症を防ぐためになるべく秋や冬などの涼しい時期に始める、冷房が効いているスポーツジムで運動を行うのが効果的です。

 

高齢者

高齢者の場合、気温に対する感覚が弱くなることで、暑さに気づかず室内にいても熱中症になってしまうケースが多くあります。

 

乳幼児・子供

体温調節機能が十分に発達していない乳幼児や子供の場合、大人よりも熱中症にかかりやすくなってしまいます。

また、「大人に比べて体重が軽い=体の水分量が少ない」ので、暑さによる体温変化の影響を受けやすいことに気をつけましょう。

 

 

 

あとがき

"詩織コーチ
詩織コーチ

湿度や風の強さ、地面が土なんかアスファルトなんかで感じる暑さは天気予報の気温の数字以上になることもある。

体で感じる暑さと天気予報でわかる暑さ(気温)は違う事があるのを分かっておくんやで。

"詩織コーチ
詩織コーチ

それと、熱中症のなりやすさはその日の体調にも影響される。

「今日はなんかええ調子っぽい」「ちょっとだるいなぁ…」みたいに、ざっくりでもいいから日頃から体調を把握して、それに応じて練習内容や休憩時間を変えるようにするんやで。

そうしておくと、熱中症だけやなくて試合に向けてピーキング、つまり目標としとる大会にむけての調整にも役立つんや。

"詩織コーチ
詩織コーチ

…って色々言うてきたけど、私かて中身は生身の人間(オンナ)や。

今にして思えば、何度か熱中症やったんちゃうんかな…って経験をしてきた事もないわけやない。

とくに暑くて食欲が出えへん時は苦労したで。せっかく作ってくれたご飯を残すんは辛くてかなわんねぇ。

"乙女ちゃん
乙女ちゃん

あ~、練習していて夏バテみたいに暑さで食欲が失せることってありますね。

私も暑くて食欲ないけど、なんとかして食べなきゃって感じて、しんどかった経験があります。

"美幸ちゃん
美幸ちゃん

夏バテしたら痩せれる…と思うけど、そんな食生活続けたら摂食障害になっちゃうもんね。

"詩織コーチ
詩織コーチ

食欲がないときは無理に出されたもんをいっぺんに食べようと気合を入れたら、余計ストレスになって食べ辛くなることもあるからねぇ…。

そういう場合は

  • 一食を何回かに分けて食べる。
  • プロテインやサプリメントで栄養を取る。
  • ゼリーやアイスのような食欲がなくても食べやすいものを食べる。
  • 食欲が出るように酸味やスパイスを効かした料理(カレーなど)を食べる

みたいな方法で栄養を取るというやり方もあるんやで。

"乙女ちゃん
乙女ちゃん

…なるほど!やっぱり暑い時にはカレーですね!

今度家で作ってみようかな。

"美幸ちゃん
美幸ちゃん

ええやん乙女!

カレーできたら私にもたべさせてー!

"詩織コーチ
詩織コーチ

乙女って料理得意なんか!女子力高いなぁ!

私にも味見させてくれたら嬉しいなぁ!

"乙女ちゃん
乙女ちゃん

別にええけど、2人ともあくまで自分で作ろうって気はないんですね…

"乙女ちゃん
乙女ちゃん

自分で食べる料理をしっかり作る経験しとったら、

「食欲なくてもなんとか食べんともったいない」って気持ちが自然と生まれると私は思うんですけどね…

もちろん、無理に食べろって言うわけやないけど…

"詩織コーチ
詩織コーチ

乙女さんのおっしゃるとおりですね…ホンマに。

…反省します。

"美幸ちゃん
美幸ちゃん

(…教え子にもっともなこと言われとるけど

ちゃんと反省できとる分、まだマシな方なんやろな…)

 

 

 

参考書籍など


イラスト・ストーリー : シロカネ