
[su_box title=”簡単なキャラクター紹介” box_color=”#2fa39f”]

乙女ちゃん。走ることが大好きな陸上長距離専攻の高校1年生ランナー。
末端冷え性で秋冬になると手先足先が冷えてしまうのが悩みだとか。

美幸ちゃん。乙女ちゃんと同級生の初心者ランナー。
冷え性とは無縁の体質らしいが、その理由は自分の体脂肪率の高さである事は認めたくない乙女な一面も…

乙女ちゃんと美幸ちゃんを指導するコーチ(大学4年生)。
過去に「走っていたらそのうち温かくなるわ!」と言って、ウォーミングアップなしに走ったあとに足を攣って小鹿状態になった経験から、ウォーミングの重要性を実感したとか…
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あらすじ
京都の秋は短い…
秋の名残を惜しむ暇もなく、あっという間に冷え込んだ空気が京都市内を覆いこんだ。
短すぎる秋を通り越して気分はすっかり冬な乙女ちゃん達は、寒さからだんだん練習に行くのが億劫に感じ始めていた。
流石にこのままでは練習に支障をきたすと感じたコーチは、「冬が本格的にやってくる前にウォーミングアップについてしっかり説明せなあかん!」と

最近一気に寒なってきたなぁ…
末端冷え性やから寒くなるの嫌やなぁ…。

こう寒いと、ちゃっちゃと練習終わらせてはよ家に帰ってこたつに入りたくなるわ~

日没も早くなってきたから、集中して練習せえへんと真っ暗になって危ないよね。

…ということで、コーチ!
今日から短期集中型の練習にしてみるのはどうですか?

せやね、短期集中型で要領よく練習をこなすんは
毎日忙しいJKスクールライフを送るには大切やな!(ニコリ)

…って言うと思ったかッ!
あほか!

やっぱあかんか…

まぁ、暗くなるのが早くなってきたし
明るいうちに集中して練習するってのは私も大事やな~とは思うで。

お、まともな反応!

せやけど、短い時間で集中するとなっても、絶対に欠かせないのが「ウォーミングアップ」や。

寒くなってくると、ウォーミングアップでしっかり体が温まるまで時間がかかるのはもちろん、寒いから早く練習を終わらせたいって心理になるもんや。
その心理のせいで、ウォーミングアップを省略して中途半端な状態でメインの練習に取り掛かってしまう、なんと経験はランナーならよくある事や。

要するに、寒いからといってウォーミングアップをめんどくさがると
肉離れとかの怪我をしやすくなるって言いたいんですか?

そう。中途半端なウォーミングアップやと、当然体が温まりきっていないから思うようなパフォーマンスが出にくくなるし、練習中に怪我をするリスクも高くなる。
たとえ練習時間が短くなろうとも、ウォーミングアップはしっかりせんと練習の効率も上がらへんようになるだけやなくて、怪我をするリスクも高まるってわけや。

短期集中するにしても、ウォーミングアップの時間はケチったらあかんというわけか。

そういう事。
本格的に寒くなる前に、ウォーミングアップをきっちりする習慣を身に付けるんやで。

お?今日は珍しくすっきり話をまとめはった!

…まぁ、私も寒いの苦手やから、早く話終わらせたいだけなんやけどね。
あとちょっとお花摘みにも行きたいし…我慢したら膀胱炎になるからなぁ…いやマジで。

やっぱりそういうオチですか…
(だけど、コーチがお花摘みって言うのはなんか意外…)
…というわけで、今回はランニング前のウォーミングアップについてです。
寒くなるとついめんどくさいからウォーミングアップを省略していきなり走り出しちゃうランナーは多いもの。市民マラソンのメインは冬だけに、ウォーミングが大事だと分かっていてもついつい省略してしまうのもまた人情ですね。
ただし、にウォーミング体(筋肉)が冷えている状態でいきなり激しい運動をすると、怪我のリスクが高まりもっとめんどくさい事になってしまうんですよね…(汗)
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ウォーミングアップの目的
準備運動としての役割
ウォーミングアップは部活の練習や試合前に行う準備運動のことです。
メインの練習や試合に向けてウォーキングやジョギング、動的ストレッチなどで体を動かして体をほぐすことで、そのあとに行うメインの練習や試合で高いパフォーマンスが発揮できるようになります。
また、ウォーミングアップはメインの練習の内容にあったもの、自分がやっているスポーツの特徴を考慮したものを行うことが重要です。
例えばメインの練習が下半身のウェイトトレーニングを行う予定の場合、ウォーミングアップの時は上半身の準備運動をしては意味がありません。
下半身のウェイトトレをするのなら、ウォーミングアップでも下半身(脚・太もも・ふくらはぎなど)の準備運動をするというように、メインの練習に深く関連のある運動をするようにしましょう

ウォーキングやジョギングのように全身運動で身体を温めるウォーミングアップは「一般的ウォーミングアップ」、身体の一部分や専攻してるスポーツの特徴を考慮したウォーミングアップを「専門的ウォーミングアップ」と呼ぶんやで。
筋肉の温度(筋温)上げて、故障・スポーツ障害を予防する
ウォーミングアップをすることで筋肉の温度(筋温)は体温を上昇します。
筋温は約38℃の時に最も近収縮が起こりやすい、つまりパフォーマンスが出やすいとされています。
ウォーミングアップでしっかり筋肉を温めパフォーマンスが出やすい状態になれば、メイン練習でしっかり身体を動かせるので、質の高い練習ができるようになります。
逆に、筋温が低く凝り固まった状態でいきなりスピード練習やウェイトトレーニングなどの激しい運動を行うと、筋肉が思うようなパフォーマンスを出せないので肉離れなどの突発的なスポーツ外傷、疲労骨折などの小さな負担が積み重なって起きるスポーツ障害などの、いわゆる故障を引き起こすリスクが高まります。

筋肉の温度をあげるのが大事とは言ったけど、ウォーミングアップ後に身体が冷えてしまえばパフォーマンスは出にくくなる。
筋肉を温めたなら、冷めないうちにメイン練習に移る、冷やさないように上着を着る、などの工夫が必要。冬やと、ウォーミングアップしてもすぐに冷えるからね。
モチベーションなどのメンタル面の準備運動
ウォーミングアップは筋肉を温めたり、柔軟性を高めたりといったフィジカル面だけでなく、「これから練習(or試合)をするんだ!」というメンタル面を整える効果もあります。
ウォーミングアップの中で大会でいいプレーをするための動作の確認(リレーならバトンパスの確認など)も一緒に行えば、大会に向けて気持ちや集中力を高めることができます。

メンタルに関連して、ウォーミングアップを行うことで交感神経が活発になりアドレナリンというホルモンが分泌される。
アドレナリンは筋肉や呼吸・循環器(心肺機能)を活性化したり、闘争心や集中力を高める作用があるんやで。
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陸上長距離・マラソンとウォーミングアップ
走る前のウォーミングアップ方法
走るのがメインの陸上長距離やマラソンでも、ウォーミングアップは練習の質を向上させるためには欠かせません。
ウォーミングアップの内容は
- ウォーキング
- ジョギング(軽く走る)
- サイクリング(エアロバイク)
- 動的ストレッチ
- マッサージ
- ドリル
などを行うようにして、メインの練習に向けて身体を整えるようにしましょう。

ウォーミングアップはウォーキングやジョギングのような軽い全身運動でゆっくり身体を温めてから、動的ストレッチやドリルのような筋肉の一部やスポーツで必要な動きを確認する専門的ウォーミングアップを行うのがええね。

あの~ドリルって、工事とかで穴を掘るアレのことちゃいますよね?

(わかっとるとは思うけど)「スプリントドリル」の「ドリル」な。
なおドリルは英語で書くと「drill」。美幸が言う「電気ドリル、穴あけ機」という意味と「訓練、トレーニング」という意味の2種類ある。
陸上の練習でやるドリルは「漢字ドリル」「計算ドリル」で使うドリルと同じ意味やね。
走る距離・時間・練習内容などに応じて調整を
ウォーミングアップの時間や内容は、その日に行う練習内容や気温、個人の運動歴や健康状況などに合わせて内容を変えていくことが大切です。
例えば夏とまったく同じウォーミングアップを冬に行っても、寒いので十分に体が暖まらず思うようにパフォーマンスが上がらないということも起こりえます。
状況に合わせて少しウォーキングの時間を長めに取ってみる、専門的ウォーミングアップを増やしてみて、臨機応変なウォーミングアップをするようにしましょう。

練習内容は個々人の運動歴や実力に合わせるのはトレーニングの7原則の「個別性の原則」と同じやね。当然メイン練習だけでなくウォーミングでもそれは同じ。
インターバルやレペテーションのようなスピード練習をするときは、普段のジョギングよりもちょっと長めにウォーミングアップの時間を取る、最後のセットまでフォームが崩れないようにフォーム確認をする、という内容にすれば効果的やね。

ウォーミングアップをメイン練習の予習のようにすればええよってことですね!
余談:ウォーミングアップ兼メイン練習のランニングについて
ランニングや陸上長距離においては、他のスポーツがウォーミングアップで行っているジョギング、ランニングそのものをメインの練習として行っているという特徴があります。
ですので、最初のうちはゆっくり走って、10分くらいして体が温まって来たらスピードを上げて走るという走り方でウォーミングアップとメイン練習を一緒にした練習をするランナーも少なくありません。
このようにずっと走りながらウォーミングアップとメイン練習を一緒にやってしまうと、ストレッチやドリルなどのランニングで必要なフォームや筋肉に焦点を当てた、専門的ウォーミングアップをしておらず、効率の悪いフォームのまま走り続けたり、脚の一部の筋肉に刺激が行き渡っていない状態のままになってしまいます。
「走りながらウォーミングアップとメイン練習ができて一石二鳥」な練習のように見えますが、専門的なウォーミングアップは無い練習なので、フォームを改善したい、ランニングの技術面を高めたいという練習には向きません。

ただ漠然とした目的、雰囲気で走っているランナーやと、いつもウォーミングアップ兼用の練習になっていることはあるよね…
もちろん、時間の都合上どうしてもそうなる事はあるけど、もっとスピードを鍛えたいという目的がある場合は、しっかりウォーミングアップとメイン練習を分けた練習を週1でもいいから取り入れてみるのがええね。
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あとがき

乙女ちゃん
練習中はあんだけ体が温かったけど、終わると一気に体が冷え込むなぁ…

そういや、乙女は末端冷え性やっけ?
ちょっと手とか足とか触ってもええか?

え、足も!
まぁ、いいですけど…。

(おいおい、生足お触りもOKするんかい!)

う~わホンマに冷たい!
こりゃ大変そうやなぁ…。

授業中とかペン持つ時は面倒ですね。
でも、練習の時は走り出すとそのうち暖かくなるので気にならなくなります。

う~ん、せやったら今後のウォーミングアップの時間の目安は、乙女の手先足先が温かくなるまでにしてみるか!

え、そんな単純でいいんですか。

まぁ、末端冷え性が出る時期だけになるけど、ウォーミングアップの時間って練習内容や体質、運動歴によって変わるから、あくまでも自分の中で使える一つの目安として使ってみれるかも?って思ったんや。

確かに足先が温かくなるまでやれば、「きっちり体の先端までメイン練習に向けて準備ができた!」ってサインになるかも。

自主練の時とか、なんかウォーミングアップが物足りひん時は、そういう自分だけのルールを作っておくとええね。一種の体調確認やルーティンのような役目もあると思うで。

末端冷え性も役にたつんやねぇ…。
私は冷え性と無縁やから、よくわからへんけど…。

美幸は乙女ほど体脂肪少なくないから、体の熱が逃げにくいから、そうなるわな。

サラっと嫌なこと言わんといてくださいよ~(事実やけど)

でも、体脂肪私よりも10%ぐらい多いやん。

そりゃガチランナーのあんたと比べたら、そうなるわな!
乙女の体脂肪率が極端に標準以下なだけや!

あんま体脂肪を減らしすぎると、女子やったら無月経・生理不順になるから、体脂肪が少なすぎるのはええ事ではないよね。

とはいえ、体脂肪はすぐに増やせるわけではないから、普段から体温調整できるように厚着をしたり、手袋とかカイロとかで冷え性対策しとくとええね。

厚着か…
せやったら今度新しいウェアを買う時は、ちょっと大きめのサイズにして、手が袖から出ないようにすれば、手の冷え性も解消されるかも。

ちょっと大きめやったら「萌え袖」もできるもんね。
※補足:「萌え袖(もえそで)」
上の乙女ちゃんのように、袖部分から指だけ出す着こなし方。あざとかわいい。

ランニングウェアで萌え袖かいな…
流石に萌え袖で走るとフォーム乱れて走りにくいからオススメせえへんけど、そういうあざといアピール方法もできひんわけやないよね。

せやけど、新しいウェア買うんやったら私のおさがりあげるで!
そっちのほうが節約になるし、私もお古のウェアが処分できるから助かるわ!

えぇ~コーチのお下がりですか…?

そんな露骨に嫌そうな反応せえへんでもええのに…。

流石に誰かが着た服を着るのは抵抗が…
それに、ランニングウェアやと洗濯してても汗が染み込んでるし…なんか無理です。

あ~!それ分かる!
洗濯してても綺麗でも、なんか生理的に嫌なもんってあるよねぇ。
それと同じや!

(…なんか思春期の娘を相手にする親父さんの気持ちが、ちょっとわかったような気がするわ…。まぁ、私は女のはずなんやけど…)
参考書籍
イラスト・ストーリー:シロカネ