
[su_box title=”簡単なキャラクター紹介” box_color=”#2fa39f”]

乙女ちゃん。走ることが大好きな陸上長距離専攻の高校1年生ランナー。
お雑煮は白味噌丸餅派だとか。

美幸ちゃん。乙女ちゃんと同級生の初心者ランナー。
お雑煮は丸餅おすまし派。焼いたお餅を雑煮に入れて食べるというこだわりもあるみたい。

乙女ちゃんと美幸ちゃんを指導するコーチ(大学4年生)。
お雑煮は白味噌派。ただし餅はそこまで好きでなはいらしい。
[/su_box]
あらすじ

心だけでなく腹周りも緩んだ美幸は、それ相応の練習で絞らなあかんな…。

とは言っても陸上部やから「走る」ぐらいしか選択肢ないですやん

でもインターバルみたいに早く走るのって、距離だけで見たらそこまで走り込めへんから、脂肪もあんま燃えへん気がしますよ。

短い距離を集中して走る練習やから、まぁそうなるわな…

じゃあ今日の練習はゆっくりと長い距離を走り込む「LSD」にするか。

…LSDってコーチ…
それ確かアカン薬物って保健体育の教科書に載ってた気が…

わかっとるとは思うけど
物騒な方のLSDとは違います!(キッパリ)

LSDは「Long Slow Distance」の略で、長くゆっくり走る練習のことやで。
長くゆっくり走り込むから、マラソンや陸上長距離の初心者向きの練習とも言える。もちろん、上級者でもLSDで基礎体力作りをしているランナーもおるんやで。

ふ~ん、長くゆっくり走るんやったら、脂肪もよく燃えそうですもんね。

で、どんぐらい走り込むんですか?

せやな…まずは2時間ってところかな?

えぇ…「まずは」2時間もやるんすか…

ゆっくり走るからそんなにキツくないと思うよ!
LSD(走)は途中から楽しくなって距離が伸びることもあるで!

最初のうちはたしかに地味やし面倒くさい…
でも、LSD(走)は走り続けていくうちに、こうなんというか快感になるんやで…ホンマに。

…この人らLSD(走)に、一種の中毒性を感じているような気がして怖いわ…
ということで今回はLSDについてです。
なお、今回紹介するLSDとは、マラソンや陸上長距離で行われるトレーニングのLSDのことであり、物騒な方のLSDではありません…健全な方のLSDです。
[post_ad_1]
LSD(ロング・スロー・ディスタンス)とは
LSDとは英語の「Long Slow Distance」の略であり、日本語直訳に直すと「ゆっくり長く距離を踏む」となり、わかりやすく言い換えると「ゆっくりと長い距離を走る」というトレーニングになります。
陸上長距離やマラソンの練習として行うLSDは、その名の通りゆっくりしたペースで長時間走り込むのが基本で、時間を決めてゆっくりと止まらずに走り続けるのが基本です。
LSDの時間の目安は1~3時間程度。体力や運動歴によりけりですが、自分で走りきれそうな時間を決めて走り続けるように時間の設定をします。
ゆっくり走り込むので経験の浅い初心者でも気軽に行え、走るために必要な基礎的な体力、心肺機能を鍛える効果が見込めます。
なお、「LSD」だけでは同名の薬物だと誤解されることがあるために、「LSD走」や「LSDトレーニング」と呼ばれる事もあります。

英語では長距離のことを「long distance」って言うことがある。
「long-distance running」やと陸上長距離、長距離走という意味にもなるんやで。
[post_ad_2]
LSDの効果
毛細血管を増やし長く動ける体になる
運動をして筋肉を動かすときには、筋肉に酸素を効率よく運搬することが重要です。
筋肉に酸素が十分にいき渡らない状態、つまり無酸素状態や酸素が不足する状態になると次第にパフォーマンスが低下して疲労が蓄積してしまいます。
有酸素運動とは逆の無酸素運動の短距離走のように瞬発力が求められる負荷の高い運動を長く続けられないのはこのためです。
LSDはゆっくりと入るために、筋肉の毛細血管の血流が流れ続ける状態が長時間に渡り続くことで、体が更に毛細血管が必要だと感じることで毛細血管が増やす効果があります。
毛細血管が増えればその分筋肉に行き渡る酸素の量が増えるので、長時間の運動でも長く動ける、長時間運動しても疲労が溜まりにくくなります。
ゆっくりと長い距離を走るので、運動負荷は軽く体感的には楽に感じてスタミナや持久力が向上しているように感じにくいですが、毛細血管を増えた結果、スタミナ増強につながります。

実力によりけりやけど、ゼーゼー言わずにゆっくり走るだけでも、自己ベストを更新することもある。将来負荷の高い練習をする場合でも、まずは基礎となる体力をLSDで鍛えるのが大事やね。
筋持久力の強化
陸上長距離やマラソンで競技力の向上に欠かせないのが筋肉そのものの持久力です。
太ももやふくらはぎなど、走るときによく使われる筋肉も、LSDのような低負荷長時間のトレーニングを行うことで筋肉の持久力を鍛える効果があります。
とくに、フルマラソンでまずは完走を目標にしている方にとっては、インターバル走で心肺機能を鍛えることよりも、最後まで走り続けるだけの足を作る初歩的なトレーニングとしてLSDは効果的です。

ごくごく初歩的なことやけど、マラソンでゴール目指すには最後まで走りきるのが大事。
レース前に最後まで走りきるだけの脚力があるのか、途中まで問題なく走れるか…という疑問や悩みを解消するのにもLSDは効果があるんやで。
ダイエット・減量になる
負荷が軽い有酸素運動を長時間行うと、脂肪を効率よく燃焼するためダイエットや減量目的で行われる事もあります。
短距離走のように高負荷・短時間で終わる運動と異なり、低負荷・長時間の運動なので総消費カロリーが増えやすくなります。

ダイエットをしたければ運動して消費カロリーを増やすのが基本。
LSDはゆっくり走るのが基本やから、「痩せるためにキツイ運動をしなきゃいけない」という心理的なハードルが無いから、気楽にできるのも特徴やね。
[post_ad_3]
LSDを実践するときのコツ
ウォーミングアップ、クールダウンは忘れずに
負荷が低いからといって、ウォーミングアップやクールダウンを疎かにすると怪我や故障を引き起こしてしまいます。
長時間走るわけなので、とくに下半身の筋肉を十分にウォーミングアップで温めておくことは重要です。
いくらLSDは負荷は低いとはいえ、途中で足が攣ってしまったり、筋肉に違和感を感じて運動を中断しなくてはいけなくなることもあります。
また、LSDが終わったらクールダウンをして疲労を回復を促すのも重要です。こちらもウォーミングアップ同様、下半身の筋肉をメインにストレッチやウォーキングなどを行い体を労わるようにしましょう。

楽なペースでゆっくり走り続ける
LSDはゆっくり走るきるのが基本であり、途中で気分が乗ってきてもペースを上げずにある程度一定のペースで走りきるようにしましょう。
ペースの決め方は年齢や運動歴によりけりですが、「1kmきっちり7分」と設定するのではなく「1kmあたり7~8分」とある程度誤差を含めて設定するのがおすすめです。
また、ニコニコペースというに運動中も笑顔になって走れるぐらいのペースに設定するという方法もあります。

走ってるうちに気分が乗ってきても、あくまでゆっくり走り続けるLSD基本なんや。
ペース替わりに心拍数を目安にして走る方法もある。その場合は110~140回/分がペースの目安。
途中でフォームが崩れないように意識する
ゆっくり走るといってもフォームを崩したり、途中でフォームが崩れないように気をつけることが大事です。
途中で腰が落ちてきたり、縮こまったフォームになってしまうと、スピードが出にくい効率の悪い走り方が身についてしまう原因になります。
ゆっくり走るからといって気を抜きすぎず、適度にフォームをチェックする(orしてもらう)ようにしましょう。

フォームチェックは自分一人ではやりにくいから、誰かに見てもらってチェックしてもらうのがおすすめ。スマホで撮影して後で自分でも確かめてみるのでもええね。
エネルギー不足にならないようにする
LSDは長時間走り続けるために、体内のエネルギーが不足して低血糖状態になる「ハンガーノック」に陥ることがあります。
ハンガーノックになると体が思うように動かなくなり、運動そのものを中止せざるを得なくなってしまいます。
対策としては過度な空腹時で走るのは避ける、途中でエネルギー補給できるように飴、チョコ、エネルギーゼリーなどの即効性のある補給食を携帯して走るようにしましょう。

ダイエットのためとはいえ、ハンガーノックのままでは走り続けられへん。「補給は大事!」…って訳や
[post_ad_3]
あとがき

正月太りの原因は「運動不足&過剰なカロリー摂取」というのが大半。
正月と言っても寒いから家で寝正月。ご馳走なりなんなり贅沢をしてしまってエネルギーだけは蓄える…これで太らへん方がおかしいよね。

正月に限らず年末の忘年会シーズンやクリスマスから贅沢三昧も考慮すれば、1~2週間かけた計画的な増量とも見れますね。

(あ~…心あたりありすぎて耳が痛い)

おせち料理って塩味が強かったり、味が濃い料理が多かったりするから、そのぶん炭水化物…つまりお餅をご飯がわりに食べてしまうもんね。

私、お餅大好きなんですよねわたし…せやからお腹までモチモチに…

…ん、ムチムチの間違いちゃうの?

乙女はん…だまりよし。

100gあたりやと、お餅のカロリーは普通のご飯よりも多いので、ランナーにとっては効率的にエネルギーを摂取できる食べ物やから、大会前とかに食べてる人は多い。

ただし、効率的にエネルギーにカロリーが取れるっちゅうことは、その分食べすぎてカロリーオーバーになりやすい。
餅にしろ何にしろ余分なエネルギーは、美幸のお腹みたいに脂肪になって蓄えられてしまうんやで。

人間の体って効率的に蓄えられるようにできとるんやなぁ…
少しぐらいカロリーを無駄遣いしてもええのに。

せやったら基礎対処を上げて、何もしなくともカロリーを消費できる体にするのが基本やね。

基礎代謝を上げるにはどうしたらええんですか?

筋トレして筋肉を鍛えるのが基本やね。基礎代謝は筋肉が多いと増えるから筋トレが一番効果的。

やっぱ運動せなあかんのですか…
世の中そう甘くないんですね。

痩せたければ「消費カロリー>摂取カロリー」にするのが基本。
まぁ、激しいダイエットをすると摂食障害になってしまうリスクもあるから、少しずつ運動したり食べ過ぎないようにして、地道に体重を戻していくことやな。

でも、美幸の身長と体重ならごくごく標準的(のはず)やし、ランナーでなければそこまで痩せなあかんというわけでもない。
個人的には多少もっちりしとる方が健康的で魅力があると思うんやけどねぇ…。

多少脂肪があったほうが、女性らしさというか魅力的な体になりますもんね…
とくに私はガリガり…というか細身だから尚更…。

いやいや、別に乙女に魅力がないって言ってるわけちゃうで。
脂肪だけが女の魅力やないで!

そんなに悩むんやったら、できるなら私の体脂肪を乙女に譲ってあげるのに~

え?いらへんよそんなもん。
走るのに邪魔やし。

あんた、ストレートすぎるやろ…

(こういう直球なところが乙女の魅力やと私は思うで)
参考書籍
イラスト・ストーリー:シロカネ