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座高の計測が2016年から廃止 今後はスポーツ障害や骨・筋肉・関節の検査も視野に

つい先日、SNSで座高の計測が今年から廃止になるというつぶやきを目にすることがありました。

まぁ、座高自体身長や視力のように数字が大きいことを他人に自慢できるようなものではありませんし、学生時代に座高を計測して一体何がわかるのか、今ひとつピンと来ませんでした。

今回は座高に関するあれこれをまとめました。

 

 

座高は内臓の成長を知るためのものだった

座高が計測され始めたのは1937年。2016年度で廃止になるまで80年近く計測されるという歴史があります。

座高が計測され始めた頃は、座高が高ければ内臓がよく発達していると考えられており、座高の成長を調べることで内臓の成長も調べることができると考えられていた。内臓の他にも上半身と下半身の成長具合を調べることができると言われていた。

また、座高のデータを元に学校現場において、子供に合った適切な机や椅子を選ぶことにも活用できるということで、座高を計測する意義はそれなりにありました。

 

しかし、現在は内臓の成長云々は座高からはわかりにくく、単純に全身の発育を見るのなら身長や体重の方がわかりやすい。

また、座高のデータが机や椅子選びに役立っているとも言え難く、このまま計測されても意味がない、結果が活用されないということで、2016年度の検査からは廃止されることになりました。

なお、あくまでも省略可能となっただけなので座高そのものは任意で測れる模様…あまり意味はなさそうだが。

 

…というか、座高にそんな目的があったということを今初めて知った(ゆとり世代並感)。まぁ、80年も経てば検査そのものも見直されたり、その時代に即した項目を調べて行く必要もあるでしょうね。

また、検査する意味がないだけでなく、「座高の数値が高い=胴長、短足」と見られることから、わざと座高を低くするためにふざけて計測するこどもがいて、身体計測をスムーズに進められないという現場の声もあった模様。

実際に座高が高いってあまり名誉なことではなかったですからね…

  • なお、日本人の股下比率(身長に占める股下の割合)は成人男女ともに大体45%。この数字はアメリカでもほぼ同じ。
  • ただし、平均身長はアメリカの方が男性は約8cm、女性は約7cmも高い。流石アメリカ、スケールが違うねぇ。

 

 

胸囲、ぎょう虫…身体検査で廃止された項目の例

座高のようにかつては計測および検査がされていたが、今は行われなくなったもの一例を以下にまとめました。

・胸囲

文字通り胸の周囲の数値のこと。服飾だと女性ならバスト、男性ならチェスト。

1994年度(平成6年)までは計測されていたが、1995年度(平成7年)で廃止になりデータは消滅。(wikipediaの胸囲のデータが1994年までしかないのはそのためだと思われる。)

脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無を調べるために計測されていたが、昔と比べて栄養状況が改善されたことで胸囲を計測する意義が薄れたので廃止。

また廃止された理由の一つに、(やはり)年頃の女子からの不満が多かったということ。まぁ、胸の発育のデータを取られるのを嫌がるのは無理もないか…

  • しかし、胸囲の計測が廃止されたために、自分の胸にあったブラを着用出来ない女子が出たり、逆にブラをつけるべきなのにつけていないというケースもある。
  • なお、現在は学校単位で任意で計測することが可能。…任意(意味深)

 

・ぎょう虫検査

ギョウチュウという寄生虫の卵が付いていないかを確かめる検査。

おしりにセロハンのシールを貼り付けて検査するという独特の手法で、多くの人の心の中に何とも言えない思い出の一つとして残っているであろう検査でもある。

1958年(昭和33年)から行われていたが、座高同様2016年度から廃止。理由は検出率が非常に少なくなったから。…それだけトイレ等の衛生面が改善されたと考えるのが自然かと。

  • 実際にぎょう虫検査が始まった1958年の検出率は29.2%に対して、2013年はたったの0.2%。
  • しかし、検出率が0ではなく寄生虫のために地域によって差が生じるので、今後も学校の判断で任意で継続していけるようにする模様。
  • なお、ぎょう虫検査は市販のキットを購入したり病院にいけば簡単に検査できる。

 

・色覚検査

目で色を正確に識別できるかを調べる検査。2003年度以降検査されなくなった。

理由は色覚検査が職業選択などの差別に繋がる恐れがある、仮に色覚に異常があっても大半は日常生活を送るにあたって支障が出ないから。

  • ただし、2013年の時点で色覚異常の約半数が異常に気づかず就職・進学し、内6人に1人が進路の断念というデータもある。

 

 

 

今後は運動不足や過度な運動による骨、筋肉、関節の発育を調査

座高の計測が廃止された代わりに、文科省は2016年度から骨や筋肉、関節の発育を調べる検査を導入。

洋式トイレの普及によりしゃがむ機会が減ったために、かかとを付けてしゃがめない子供が増えている事や、運動不足や生活習慣の変化によって転びやすくなったり、跳び箱に手を付くだけで骨折する子供がいるので、新しい検査によりそれらの早期発見を目指していくとのこと。

  • 文科省の公式サイトを見る感じだと、保険調査票などを活用して学校と学校医が協力して検査や診察、指導していくスタイルになる模様。
  • 座高みたいな一括検査をやるのなら、どういう検査になるのかが個人的には気になるところ。

 

また、運動不足だけではなく、運動のしすぎによって起きる問題(要はスポーツ障害)に対しても、健康診断において何らかの対応をしていく模様。

まぁ、運動のしすぎやそれにより起こる症状に対して、対応を取っていくのはごもっともだと思いますが…それよりもまず、スポーツ障害がオーバユース(体の使いすぎ)が引き起こされるような部活の指導者や練習環境を改善していくことも、検査と同じぐらい重要だとは思うんですけどね。

いくら、スポーツ障害に関する検査が知識の普及を行ったところで、指導者や練習環境が改善されなければ怪我や故障に悩む部員が後を耐えないように思うのは管理人だけでしょうか。まぁ、何らかの形で改善をしていくとは思うけど…

 

 

まとめ

  • 座高は内臓の成長や椅子、机を選ぶときに役立つと言われていたが、実際は意味がない検査であった。
  • 座高の計測は2016年から廃止。代わりに骨・筋肉・関節の発育を調べる検査が行われることに。
  • 今後は運動不足や過度な運動により起きる問題の調査や早期発見を視野に。

 

残念ながら座高は検査としては意味がないとなりましたが、共通の話のネタとしてはそれなりに使えますし、座高を測るときに口酸っぱく言われた背筋を伸ばして座ることの大切さは、今になっても大変意味のあることだと痛感しています…とくにデスクワーク続きの管理人にとっては。

 

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参考文献

文科省 今後の健康診断の在り方等に関する意見 : http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sports/013/toushin/1343304.htm

文科省 今後の健康診断の在り方等に関する検討会(第7回) 議事録 : 

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sports/013/shiryo/1341651.htm

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